カリフォルニア最良のスパークリングロゼ、リチャード・G・ピーターソン
- 2015/12/26
- 13:21

ナパヴァレーのハイディ・ピーターソン・バレットさんは、ロバート・パーカー氏が「ワイン界のファースト・レディ」と呼ぶワインメーカーだ。ラルー・ビーズ・ルロワやヘレン・ターリーも選ばれているが、彼女は最も知名度が高い1人だろう。スクリーミング・イーグルの初代ワインメーカー。ダラ・ヴァレ、グレース・ファミリーなど有名なカルトワインを手掛けた。1976年のパリの試飲会の白ワインで1位になったシャトー・モンテリ...
ナパ地震を生き延びたオレンジワイン、マサイアソンのリボラ・ジャッラ
- 2015/12/25
- 20:06

スティーヴ・マサイアソン氏は、醸造家である前に栽培家である。ワインメーキングは栽培の延長にある。園芸に興味があり、2002年からナパヴァレーで栽培コンサルタントを始めた。顧客名を見れば、その実力がわかる。アローホ、ダラ・ヴァレ、ホール、アルカディアン、アローホ夫妻が2013年に立ち上げたアチェンド……。栽培の分野では、デヴィッド・エイブリューが有名だが、スティーヴは仕事を絞っている。バランス絶妙のオレンジ...
双子のヴァーナー、一味違うサンタ・クルーズ・マウンテン
- 2015/12/24
- 12:10

サンタ・クルーズ・マウンテンでブルゴーニュ品種に特化した造り手の3本指は、リース、トム・フォガティ、ヴァーナーだろう。ワイン・アドヴォケイト、ヴィノスの評価も高い。 双子のボブとジムのヴァーナー兄弟は1970年代、UCデイヴィス校でそれぞれ、生物学と醸造学を学んだ。教授から勧められて、サンタ・クルーズ・マウンテンでシャルドネを植え始めた。1982年にサン・アンドレアス断層より内陸部に入ったポートラ・ヴァレ...
トーマス・フォガティのブルゴーニュ品種、サンタ・クルーズの先駆
- 2015/12/23
- 12:16

1972年に7番目のAVAに認定されたサンタ・クルーズ・マウンテン。山岳部の畑の先駆であるリッジとマウント・エデンは有名だが、近年は太平洋プレート側にあるスカイライン・ブールヴァード沿いでブルゴーニュ品種を造る生産者に注目が集まっている。リースからブールヴァードを10分ほど北に走ると、トーマス・フォガティがある。 ワイナリーはトーマス・フォガティ博士とワインメーカーのマイケル・マルテッラ氏により、1978年に...
新世代アルノー・ロバーツ、ルーロを連想させるシャルドネ
- 2015/12/22
- 11:51

カリフォルニアの新世代に、マイナー品種にトライする動きがある。リボッラ・ジャッラ、ガメイ、トゥルソーなど16品種を手掛けるアルノー・ロバーツもその一つだ。「偉大なワインはどんな品種からも生まれる。畑を探し、カリフォルニアの可能性を探るのが楽しい」と言う。 ケイマスやコングスガードで修業したダンカン・アルノーと、樽職人のネイサン・ロバーツがタッグを組んで始めた。ネイサンの祖母はロバート・モンダヴィ未...
冷涼なフォート・ロスシービュー、フェイラの旧世界的なシラー
- 2015/12/21
- 13:35

ソノマ・コーストAVAは広い。マリン郡からメンドシーノ郡まで100キロ以上に広がる。ロシアン・リヴァー・ヴァレーやカーネロスの一部も含む。太平洋から数キロのフォート・ロスシービューは、2011年に新たなAVAとして認められた。50キロ離れた内陸のソノマの街より、夏季の気温が約4度低い。フェイラのほか、ハーシュ、マーカッサン、フラワーズなどが畑を持つ。トゥルー・ソノマ・コーストの代表だ。 「フォート・ロスシービュ...
太平洋に近い山中の秘境、フェイラのフォートロス・シーヴューの畑
- 2015/12/19
- 14:14

ソノマ・コーストAVAは広い。その中で冷涼な気候の畑はトゥルー・ソノマ・コーストと呼ばれる。その代表格であるフォート・ロス・シーヴュー周辺の産地に最も通じるワインメーカーが、フェイラのエーレン・ジョーダンだろう。 経歴がユニークだ。ナパヴァレーのジョセフ・フェルプスのツアーガイドから始めて、ローヌに渡り、コルナスのジャン・リュック・コロンボの下で修業した。1994年に帰国して、ナイヤーズのワインメーカ...
ブルゴーニュファンの魂わしづかみ、ピュアで引き締まったリオコ
- 2015/12/18
- 09:40

カリフォルニアに行くと、ハイウェイ29を上り下りする回数が多い。ナパヴァレーを南北に貫く幹線道路だからだ。今回はソノマを貫く国道101号をよく走った。道沿いのヒールズバーグとサンタ・ローザに、気鋭の生産者が集中している。多くは自前の施設を持たず、間借りしたカスタム・クラッシュで醸造・熟成をしている。外見はただの倉庫だ。 バランスあるブルゴーニュ品種のワイン造りを目指す団体「IPOB」(イン・パースート・...
高貴でフレッシュ、死ぬまでに飲みたいスクリーミング・イーグル
- 2015/12/17
- 02:32

スクリーミング・イーグルの起源は、よく知られている。不動産ブローカーのジーン・フィリップスが1986年にブドウ樹の植えられた土地を購入した。当初はブドウを売却していたが、古い納屋でワインを仕込むようになった。1992年がロバート・パーカーの目にとまり、99点を獲得し、あっとういう間にカルトワインとなった。 「1992は素晴らしい。1995と2001、2007もいい。私には2001がベスト・ヴィンテージだ。ライブラリーワインを...
区画別醸造から誕生、ボルドー右岸思わせるセカンド・フライト
- 2015/12/16
- 09:13

オークヴィル東部あるスクリーミング・イーグルは、ナパヴァレーの単純なヴァレー・フロア(谷床部)とは異なる。小さな丘の一部で、なだらかな傾斜があり、風が吹き抜ける。斜度はボルドーのシャトー・ラフィットよりはるかに大きい。場所によって5%はある。 その地形と土壌の多様性が、ワインに独特な個性を与えている。南部は茶色のロームで、赤い火山性土壌が混じる。砂利土壌が全体に広がり、東部は特に強い。ナパには珍...
5ケースのソーヴィニヨン・ブラン、フレッシュ感際立つスクリーミング・イーグル
- 2015/12/14
- 01:22

訪問の難しいワイナリーが数ある中で、スクリーミング・イーグルはその筆頭に入る。定期的に試飲しているのは、ワイン・アドヴォケイトのロバート・パーカー氏とヴィノスのアントニオ・ガッローニ氏のみ。英国人の評論家もほとんど受け入れない。デビッド・ベッカムの要望も断ったと、関係者から聞いた。ワイン・スペクテーターのジェームス・ロビー氏は、来年1月に初めて訪問するそうだ。「ナパのダウンタウンの同じジムに7年間...
サンタ・クルーズのスーパースター、ルロワを連想させる官能的なリース
- 2015/12/12
- 19:01

ジャンシス・ロビンソンMWとカリフォルニア・ベースのジャーナリスト、リンダ・マーフィの「アメリカン・ワイン」(2013年刊)は、サンタ・クルーズ・マウンテンの「スーパースター」として3生産者を選んでいる。リッジ、マウント・エデン、そしてリースである。異論はない。 リースの畑仕事は精密で、厳格だ。冷涼な気候と長いハングタイムにより、低い糖度で生理的成熟が得られる。要は、良作年のブルゴーニュと同じ。赤ワイ...
リースのサンタ・クルーズの山ピノ、畑の違いを明確に表現
- 2015/12/10
- 01:12

カリフォルニアの生産者と一緒に、畑を歩く機会は少ない。畑が各地に点在していて、栽培農家からブドウを購入するのが普通だからだ。リースのワイナリーの敷地内にあるスカイライン・ヴィンヤードを、ワインメーカーのジェフ・ブリンクマンと歩いて驚いた。ブルゴーニュ並みの密植度なのだ。ヘクタール当たり1万7000本。いや、並みのブルゴーニュよりも多い。 「ユベール・ラミーのハイ・デンシティの畑みたいだ。ここと同じよ...
サンタ・クルーズ・マウンテンの奇跡、新旧世界を超えるリース
- 2015/12/08
- 18:27

リースはカリフォルニアで最も入手困難なピノ・ノワールの造り手だろう。少量でも日本に入っているのが奇跡だ。多い年で生産量は1万ケース。99%がメーリングリストの顧客に販売される。リスト入りは2年待ち。1%が日本への輸出とニューヨーク、サンフランシスコのディストリビューターに向かう。評論家アントニオ・ガッローニが「見つけたら迷わず入手せよ」というのは大げさではない。トップキュヴェはオークションでしか買え...