「シンポジウム」の起源はギリシャ、土着品種に多くの発見
- 2016/03/30
- 01:26

ギリシャのワインの歴史は古い。4000年以上前から文化の一部に存在し、紀元前3000年前のクレタ島にはワイン生産をしていた痕跡が残されている。紀元前1000年から300年の古代ギリシャ時代には、ワインが宗教的な儀式の重要な一部であり、ワインと関連づけられた酒の神がディオニュソスだった。ディオニュソスは、ローマ神話でバッカスと呼ばれた。 古代ギリシャ人はワインの効用を知っていて、シンポジア(饗宴)と呼ばれる文化...
マラグジアもクシノマヴロも、ボルドーで学んだワイメーカーのモダンなアルファ・エステート
- 2016/03/28
- 01:06

ギリシャは土着品種の天国だが、国際市場で人気を集めている白ワイン品種にマラグジアがある。北部のアミンデオンでは、多くの生産者がクシノマヴロと並んで栽培している。酸の豊かな白ワインと頑強な赤ワインが同時に育つのが、この土地の面白さだ。 アルファ・エステートはこの地のみならず、ギリシャ全域でも優良生産者の一つ。現地で輸出部長のコンスタンティノス・アルヴァニタキスと試飲して、土着品種をモダンに仕上げる...
ナウサから山隔てたアミンデオ、クシノマヴロの異なる表現
- 2016/03/27
- 00:21

ブルゴーニュは道を隔てただけで違うワインができると言われる。ギリシャ北部のマケドニア地方も、山を隔てるだけで品種やワインのスタイルが異なる。クシノマヴロ種は、最も重要な産地ナウサではバローロを思わせるフルボディの赤ワインに仕上がる。一方、ヴェルミヨン山の西側にある最古の産地アミンデオでは、ロゼやスパークリングも造っている。 両方の産地でワインを造るキリ・ヤニのアミンデオの畑から東南方向のヴェルミ...
伝統派バローロファンをとりこ、キリ・ヤニがナウサで造るクシノマヴロ
- 2016/03/26
- 02:57

ギリシャと聞いて日本人が連想するのは、アテネの神殿やエーゲ海の白亜の建物だろうが、北緯34度から41.5度に広がるこの国は、地中海性気候の土地ばかりではない。内陸部には大陸性気候の冷涼な産地がある。最も重要なのはマケドニア地方のナウサだ。 港町テサロニキの空港から車で北上すること2時間半。標高が100-300メートルの丘陵地にあり、冬には雪が積もる。エーゲ海よりもバルカン地方の山塊と関係が深い。ナウサは1971...
甘口にも辛口にもなるアシルティコ、熟成しても複雑
- 2016/03/25
- 01:40

アシルティコは今や、ヨーロッパの高貴品種として注目を集めている。サントリーニ島に起源を持ち、ギリシャ各地に広がった。辛口も甘口ヴィンサントも造られるが、アルコール度も酸度も同様に高く保つことができる。熟成能力を持つ地中海品種としても珍しい。サントリーニ島は、常に強風が吹いているせいか、病害にもかかりにくい。似たような風味の白ワインを探すとすれば、イタリア・カンパーニャのファランギーナ、オーストリ...
火山島のエネルギー、ギリシャ・サントリー島のアシルティコ
- 2016/03/23
- 00:45

ギリシャが注目されている。英米では10年以上も前から、評論家がとり上げている。英国のジャンシス・ロビンソンMWはもちろん、NYタイムズのエリック・アシモフ、ワイン・アドヴォケイトも、定期的に評価している。日本にもこれから波が来るだろう。 ギリシャは温暖な地中海のイメージがあるが、実は冷涼な土地を探してワインが造られている。アテネに近い北ペロポネソスの観測所パトラスの北緯は約38度で、リスボンと同じだが、...