最小クロのチョーキーな個性、ヴーヴ・フルニのクロ・フォブール・ノートル・ダム
- 2016/06/29
- 01:16

クロを名乗るシャンパーニュは20銘柄以上ある。少しずつ増えているようだ。巧みなマーケティングとテロワールを表現する流れに乗っている。コート・デ・ブランのほぼ南端ヴェルテュのヴーヴ・フルニ&フィスにも1つある。ブラン・ド・ブランの「キュヴェ・デュ・クロ・フォブール・ノートル・ダム」である。 ヴーヴ・フルニは5世代にわたる家族経営の栽培農家だった。当主アルベールがA・フルニの名で詰めていたが、1950年代に...
アンリ・グートルブ、誇りと自信のスペシャル・クラブ
- 2016/06/27
- 02:22

シャンパーニュには色々な生産者団体がある。グローワー(レコルタン・マニピュラン)で造る「クラブ・トレゾール」もその1つ。この名前を知らなくても、「スペシャル・クラブ」という底の太い瓶なら、飲んだことがあるという人も多いだろう。 1971年に設立され、29の造り手が加盟している。ブジーのポール・バラ、マレイユ・シュール・アイのマーク・エブラール、シニー・レ・ローズのJ・ラサール、メニル・シュール・オジェの...
ブジーの単一畑を表現する新星、ピエール・パイヤール
- 2016/06/26
- 09:50

ブジーとアンボネイ村。モンターニュ・ド・ランス南部を代表するピノ・ノワールの産地だ。日本ではアンボネイのイメージが高い。エグリ・ウーリエやクリュッグのクロ・ダンボネイのせいだろう。だが、歴史的にはブジーの方がコトー・シャンプノワの産地として有名だ。ヴーヴ・クリコのラ・グランダム・ロゼには、この村の赤ワインが欠かせない。モンターニュ・ド・ランス北部のマイィやヴェルズネイの北向き斜面に比べると、南か...
チャーチルのブレンド比率、ポル・ロジェの比較試飲で探る
- 2016/06/22
- 08:51

ブレンド比率はシャンパーニュのカギを握る。ポル・ロジェの「サー・ウィンストン・チャーチル」は、公表していないが、その手掛かりが見つかった。 入口が刷新されたエペルネの本社で、6つのキュヴェを試飲した。「ブリュット 2006」と「サー・ウィンストン・チャーチル 2004」の比較で、違いが浮かびあがった。2006は黄桃、プラム、トースト、しっかりした骨格にしなやかな筋肉がついている。2006らしい丸さがあり、親しみ...
こ惑的な香りとエネルギー、世界トップを行くクリスタル・ロゼ
- 2016/06/21
- 02:14

ジャン・バティスト・レカイヨンとアンセルム・セロス。性格も、方向性も違うが、2人の造るロゼが最高峰を行くのは間違いない。こ惑的なクリスタル・ロゼに心奪われない愛好家はいないだろう。シャンパーニュ評論の権威トム・スティーブンソンのシャンパーニュ・スパークリングワイン世界選手権では、2年連続、世界一に輝いた。 ルイ・ロデレールのロゼ・シャンパーニュ造りはユニークだ。7-10日間スキンコンタクトしたピノ・...
シャンパーニュのモンラッシェ、チョーキーなクリスタルの秘密とは
- 2016/06/20
- 00:59

クリスタルとドン・ペリニヨンは、毎年のように生産される。これを批判するのはお門違いだ。クリスタルはビオディナミに転換中の自社畑から造る。熟度が高い。潜在アルコール度が12%も珍しくない。ドン・ペリニヨンは、最大のメゾンであるモエ・エ・シャンドンの圧倒的なリソースを使える。 それでも、クリスタルの2010は生産されない。2002から2009まで生産されてきたが、冷涼な2010は難しかったという。現行ヴィンテージは20...
天才ジャン・バティスト・レカイヨンが創造、ルイ・ロデレールのブリュット・プルミエ
- 2016/06/18
- 16:37

大勢のメゾンのトップと会ったが、ルイ・ロデレールのジャン・バティスト・レカイヨンほど、論理的で、ビジョンのあるシェフ・ド・カーヴ(醸造責任者)はいない。会うたびに、発見や刺激がある。大半のシェフ・ド・カーヴは醸造に集中するが、醸造と栽培の両方を担当する彼の説明は、畑の個性や栽培と結びついている。 ジャン・バティストはモンペリエのフランス国立農学学院 (ENSA)を、醸造と栽培の両部門で首席で卒業。先...
全房発酵でも青くない、ジョルジュ・ラヴァルのセニエ・ロゼ
- 2016/06/17
- 15:43

ロゼ・シャンパーニュの歴史は浅い。ドン・ペリニヨン・ロゼの初ヴィンテージは1959年。セニエ・ロゼの代表格ローラン・ペリエがロゼを始めたのが68年。クリスタル・ロゼが74年。品質が安定したのは70年代以降だろう。 理由はいくつかある。今より冷涼な時代は、栽培北限のシャンパーニュで、熟した赤ワインがとれなかった。大手メゾンは今、1リットル20ユーロ以上払って、赤ワインを購入している。ロゼが高価なのはそのせいだ...
ノンドゼは熟成するか?答えはジョルジュ・ラヴァルのレ・シェーヌ2004にある
- 2016/06/16
- 16:24

シャンパーニュは多彩な畑をブレンドして造るという概念が、近年の単一畑で仕込む栽培醸造家のシャンパーニュによって変更を迫られている。ラヴァルもキュミエールの7区画のうち、「レ・シェーヌ」と「レ・オート・シェーヴル」という2つの単一畑を出している。 レ・シェーヌは円形劇場のようなキュミエールの東側にある。オーヴィレール修道院に通じる道路脇の中腹にわずか0.45ヘクタール。白亜質の上に広がる表土は30センチ程...
キュミエールを体現、畑に生きるジョルジュ・ラヴァルのブリュット・ナチュール
- 2016/06/15
- 15:18

グローワー(レコルタン・マニピュラン)ブームの日本で、もっと注目すべき造り手の筆頭が、ジョルジュ・ラヴァルだ。2.5ヘクタールから生産量は1万7000本。10%が日本に来る。それでも米国、イタリアに次ぐ3番目の市場なのだから幸運だ。日本の輸入元が早くから目をつけていた。コペンハーゲンのレストラン「ノーマ」にオンリストされて、世界が奪い合っている。 ヴァレ・ド・ラマルヌの格付け93%のキュミエール村に本拠を置く...