疲労回復に肉三昧、セヴローで自然派ワイン
- 2014/02/19
- 00:34

疲れると肉を食いたくなる。日本なら焼肉だが、フランスなら牛のステーキを。 産地取材の最後はパリでおいしいものを食べる。今回は気取った星付きより、肉な気分だった。3週間も旅して、やはり疲れたのだ。懐かしい14区の「セヴロー」に予約した。肉を一頭さばいているこのビストロは日本でも有名になったようだ。 このレストランに初めて訪れたのは2004年。10年も前の話だ。知り合いのインポーターから「フランスで牛のステ...
頼れるニコラ・ポテル、旧式の圧搾機を使う理由は
- 2014/02/16
- 23:09

ドメーヌ・ド・ベレーヌの本拠地はボーヌの外周道路から、ラドワ、アロース・コルトンに向けて走り出してすぐ。アンリⅡというホテルの斜め向かいにある。そのまま走ると、74号につながる。コート・ドール巡りの定期ルートだ。 2014年のブルゴーニュは暖冬で、雨が多かった。すき返しをするタイミングがなくて困ったそうだ。ドメーヌを訪問した日も小雨が降っていた。当主ニコラ・ポテルはあいにくと風邪だった。フランス人も風...
2人のリジェ・ベレールは期待の星
- 2014/02/15
- 15:21

ブルゴーニュの今後を担う存在として注目なのが2人のリジェ・ベレールだ。ラ・ロマネを再興したルイ・ミシェル・リジェ・ベレールだけでなく、いとこのティボー・リジェ・ベレールも飛び切りのワインを造っている。 2人ともナポレオン1世に仕えたリジェ・ベレール将軍の流れをくむ。ルイ・ミシェルが暮らすヴォーヌ・ロマネのシャトーもすごいが、ティボーがニュイ・サン・ジョルジュの街中に構える屋敷も大きい。ルイ・ミシェ...
ジャイエの後継者?、バンジャマン・ルルー
- 2014/02/14
- 12:44

ブルゴーニュで世代交代が起きている。 風穴を開けたのはドメーヌ・ド・ベレーヌのニコラ・ポテルらの世代。そこから刺激を受けたバンジャマン・ルルーらの若手が、続いている。 ルルーはボーヌの花屋の出。ワインとは全く関係ないところから登場した。1990~92年にボーヌの醸造学校に通いながら、ポマールのコント・アルマンで修行を始めた。ニュージーランドやオレゴンでも働き、98年にブルゴーニュに戻ってきた。彼を動かし...
モンラッシェはやはり頂点、ソーゼの2012
- 2014/02/13
- 17:42

ピュリニー・モンラッシェで、ルフレーヴと並んで忘れてはいけないのはソーゼだ。 エテンィエンヌ・ソーゼの孫娘ジェニーと結婚して後を継いだジェラール・ブドーは、相続に絡んで、重要な畑を義理の兄弟ジャン・マルク・ボワイヨに分割した。買いブドウも組み入れて、優れたワインを生産し続けている。 一言で言えば、エレガント。ブルゴーニュで赤ワインの試飲が1週間も続いた後だったので、とりわけうれしかった。タンクか...
高テンションで疾走、ルシアン・ル・モワンヌのムニール
- 2014/02/12
- 11:59

落ち着いた造り手の多いブルゴーニュで、ムニール・サウマだけはテンションが高かった。 ルシアン・ル・モワンヌを20年足らずで、トップ・ネゴシアンに育てた。レバノン生まれだが、ピノ・ノワールにひかれて、1994年にやってきた。当時は22歳。昔はジャーナリストになりたかったそうだ。95年に初のワインを手がけて、99年に会社を立ち上げた。 現在のワイン造りとは少し違う手法をとる。 樽熟成期間が長い。2012年は赤も白も...
ブルゴーニュは狭い
- 2014/02/11
- 17:25

ブルゴーニュは狭い。ワイン首都のボーヌはさらに狭い。 ドメーヌ・ド・ベレーヌの輸出部長として活躍する北沢さんと、最近できた「F&B」というワインバーで飲んでいたら、何やら品のいいマダムの二人連れが入ってきた。 数日前に訪問取材したドメーヌ・アルヌー・ラショーのシャルルのお母さんフローランスだった。顔の広い北沢さんに紹介された。25歳の若き当主をほめたら、お母さんはうれしそうだった。ジーンズをおしゃ...
赤も底力、クロ・デ・ムーシュ1996
- 2014/02/09
- 01:33

ジョゼフ・ドルーアンは通好みのネゴシアンだ。シャンパーニュで言えば、シャルル・エドシックやビルカール・サルモンのイメージに近い。 ネゴスといっても、実際には、ほかの大手ネゴスと同じく大ドメーヌなのだが。家族経営を御旗に掲げる生産者は多いが、その多くはトップこそ一族から出てくるが、番頭役や醸造責任者は外部の人間を起用している。ここは4人の兄弟が、栽培、醸造、経営、米国のマーケティングをそれぞれ分担...
ジャン・ラフェ、懐かしき味と人情にふれる
- 2014/02/08
- 07:59

ワインの造り手は農民だ。 それを実感した瞬間があった。 モレ・サン・ドニに寄って、少し時間が余った。ジャン・ラフェのところにあいさつしていこうという話になった。 モレ・サン・ドニは回りやすい村だ。ロータリーのある大きな駐車場に車をとめると、どこでも歩いて行ける。ポンソは坂を登って、距離があるが、リニエ・ミシュロ、アルロー、ルイ・レミーなどは数分。ちょっと動いて、教会前にとめると、グラン・クリュ街...
冷たいナイフを喉元に、挑戦強いられるルーミエのミュジニー
- 2014/02/07
- 05:38

クリストフ・ルーミエはいい男だ。見た目も、気立ても。 1980年代にアンリ・ジャイエ・スクールがあった。同級生は、パトリック・ビーズ、ドミニク・ラフォン、エティネンヌ・グリヴォ。みなが少しでもいいワインを造ろうと、アンリに試飲してもらい、アンリのワインから学んだ。現在のブルゴーニュ品質革命の始まりと言っていい。パトリックは不幸にも亡くなった。、エティエンヌは87年から92年までギィ・アカッドの下...
ピラミッドの中は迷宮、ミニュエのミュジニー
- 2014/02/06
- 07:50

1月31日はシャンボル・ミュジニーの日だった。 ヴォギュエは外したが、朝9時からジャック・フレデリック・ミュニエとジョルジュ・ルーミエを連続で。いずれも世界で最もエレガントなピノ・ノワールの造り手だが、とりわけミニュエは脱帽だった。 10年も前か、イタリアのワイン商マルク・ディ・グラッツィアと話していたら、お気に入りがミュニエだった。バローロ・ボーイズを売り出した彼のイメージと合わなかったのだが...
ルソーを再評価、冷涼さ映すシャンベルタン2012
- 2014/02/05
- 05:28

アルマン・ルソーを、正直言って過小評価していた。 デュガ・ピィが、ジュブレ・シャンベルタンで最高の造り手と思っていたが、少し修正しなければいけない。ルソーも決して劣らないと。生産量が多いから、キュヴェによって少し揺れがあるのだが。 興味深かったのは、2012のバレル試飲で、シャンベルタンとクロ・ド・ベーズの比較。シャンベルタンの方がコンブ(扇状地)の冷たい空気の影響を受けるので、タイトでミネラリ...
コート・ドールの中心で「ラ・ロマネ」と叫ぶ
- 2014/02/04
- 04:56

フランスで最も小さなアペラシヨン、ラ・ロマネ。0・8ヘクタール。ロマネ・コンティが1・8ヘクタール。そのすぐ上の斜面に位置する。 当主のルイ・ミシェル・リジェ・ベレールは、ナポレオン一世につかえたリジェ・ベレール将軍の流れを引く。かつてはラ・ターシュも所有していた大地主。ひとつ指摘しておくと、ラ・ロマネとロマネ・コンティは同じ畑が分かれたのではなく、最初から別の区画だった。 長らく不在地主で、栽...
ロマネ・コンティ2012はクラシックVT
- 2014/02/03
- 21:12

ブルゴーニュの2012年は、ピノノワール好きなら心動かされずにいられないヴィンテージだ。 我々は米国の評論家に動かされて、つい2009のような熟成したヴィンテージに走りがちだが、ピノノワールの本当の美しさは2012のような年に現われる。 これはあらゆる造り手に共通する意見だった。 ジャック・フレデリック・ミュニエは「2009のように熟成したヴィンテージは素晴らしい。数十年は保つだろう。しかし、2...
ワイン産地取材はつらいよ
- 2014/02/02
- 20:08

フランスのワイン産地への旅ですか。いいですね。 しばしば言われる。 <いや、物見遊山ではないのだが…> 心の中でつぶやきながら、薄ら笑いで受け流す。 ワイン飲み放題で、レストランで美食ーというイメージなのだろう。正反対だ。試飲だから飲むわけではない。真剣勝負だ。昼間に3軒も生産者を回ったら疲労困憊。トップ生産者がわざわざ時間を割いてくれる。何十年も、いや何世紀もブルゴーニュの歴史を築いてきた人々...
テリーヌとボージョレ、ビストロ王道をボーヌで
- 2014/02/01
- 06:11

1月のボーヌは完全オフシーズン。閉まっている店ばかり。 水曜の夜、ドメーヌ・ド・ベレーヌ輸出部長の北沢さんと、寒い中を探し回り、「カーヴ・ド・ラ・マドレーヌ」で軽く食事。ボーヌの街中、気の利いたワインとおいしい食事をそろえているワインバーというか、ビストロは意外に少ないんだとか。東京のレベルの高さは異常とも。 そこは同感するが、いかんせん、高すぎる。カッコつけて飲む必要ないし。ソムリエの知識とサ...
ボーヌの夜、コシュ・デュリの赤と子牛で
- 2014/01/29
- 17:23

やっぱり、マ・キュイジーヌはいい。 ブルゴーニュ3日目の28日。早めに仕事が片付いて、ボーヌ中心部のマ・キュイジーヌへ。取材データ整理に忙しくて、夜は部屋食ばかりだったので、初のディナー。ボーヌにきたら、必ず立ち寄るビストロだ。30分前で、予約がとれたから驚いたら、それは7時という早い時間だったから。店を出る9時ごろには満員だった。アメリカ人多し。夏はもっと混むけれど。 気軽に26ユーロのムニュで...