ヴィユー・シャトー・セルタンに100点級評価…ワイン・アドヴォケイトとヴィノス
- 2016/05/01
- 01:25
ワイン・アドヴォケイトのニール・マーティンとヴィノスのアントニオ・ガッローニが、ボルドー2015プリムールの評価を発表した。 マーティンは2014プリムールから、パーカーの後任として評価を受け継いだ。ガッローニはかつて、パーカーの右腕だったが、独立してヴィノスを立ち上げた。マーティンは2015を、2009や2010ほどの一貫性はないが「優良なヴィンテージ」と評価した。マルゴーとペサック・レオニャン、サンテミリオン、...
ポムロールの双壁、ペトリュスより見つからないラフルール2015
- 2016/04/30
- 01:02
ラフルールはポムロールでペトリュスと並ぶ存在だ。ル・パンの方が高いが、この2つは歴史と血筋が傑出している。ジャック&シルヴィ・ギノードーが所有し、息子バプティスト夫妻が今は仕切っている。ラフルールの生産量はペトリュスより少ない1万数千本。 ペトリュスの後に訪れた。途中にラフルール・ペトリュスがあり、その脇を抜けて5分もかからない。畑はポムロールのプラトーにあり、近くにはヴィュー・シャトー・セルタン...
右岸と左岸の中間行く、オー・バイィ2015
- 2016/04/29
- 00:55
2015のボルドー左岸の安定した産地をあげるなら、マルゴーとペサック・レオニャンになる。いずれも9、10月の雨の影響が少なかった。開花もヴェレゾン(色づき)も理想的な状態で進んだ。 オー・バイィはペサック・レオニャンのトップグループ入りしている。トップにいるオー・ブリオンに続くグループに常に含まれる。 「シャトー・ル・パプ 2015」は、2011年にオー・バイィのオーナー、ロベール・G・ヴィルメールに買収された...
2015のワイナリー・オブ・ザ・イヤー候補、ラ・ミッションとオー・ブリオン
- 2016/04/28
- 00:36
ボルドー市内の道路の混雑をすり抜けて、シャトー・ラ・ミッション・オー・ブリオンを訪ねるのは楽しい。ここで試飲するラ・ミッションとオー・ブリオンに、失望させられたためしがない。市街地に近く、やや温暖なのと、支配人のジャン・フィリップ・デルマスのち密な仕事のおかげだ。 オー・ブリオンを所有するドメーヌ・クラレンス・ディロンは1983年、ウォルトナー家から、ラ・ミッションを買収した。道路を挟んで向かいあう...
シャトー・マルゴー、2015のワイン・オブ・ヴィンテージ
- 2016/04/28
- 00:31
ワイン商が投票で選ぶボルドー2015の「ワイン・オブ・ヴィンテージ」はシャトー・マルゴーだった。 Liv-exのメンバー440社に、プリムールの評価を依頼する毎年恒例の調査の結果。マルゴーをトップワインに選んだのは全体の3分の2で、40%はオー・ブリオンとシュヴァル・ブランを3番目に好きだった。最もお買い得なワインはグラン・ピュイ・ラコストだった。平均価格は18%値上がりすると予想され、4分の3が2014より需要があると...
成功したマルゴーの代表、熱きシャトー・パルメ2015
- 2016/04/27
- 01:53
2015ボルドー・メドックで、マルゴーは最も成功したアペラシオンだ。ポール・ポンタリエの遺作となったシャトー・マルゴーは偉大だが、パルメも成功した。 6、7月は乾燥して干ばつスレスレだったが、7月末の雨が恵みとなった。ヴェレゾン(色づき)が一斉に始まり、ブドウは均一な状態で熟した。サンテステフは9月に130ミリの降雨があり、テロワールによってばらつきがあるが、マルゴーの9月は30ミリにとどまった。パルメはメル...
シャトー・パルメ、2015プリムールを香港サザビーズで販売
- 2016/04/27
- 01:51
ボルドーのシャトー・パルメは、2015のプリムール向けバレルをすべて、6月4日に開かれる香港のサザビーズのオークションを通じて販売する。 デカンターによると、サザビーズは225リットルの樽が70万香港ドルで落札されると予想している。バイヤーの手数料と税金を抜いて、1本当たり2333香港ドル(約3万3000円)。落札者が瓶詰めするボトルのサイズを選べる。ビオディナミに転換中のパルメの2015の評価は英米で高い。 プリムー...
エレガント方向にシフト、ムートン・ロートシルト2015
- 2016/04/26
- 01:43
プリムール前に話題になったのが、ムートン・ロートシルトなどポイヤックの3つの格付けシャトーを所有するバロン・フィリップ・ド・ロスチャイルド社を率いるフィリップ・セレイ・ド・ロスチャイルド男爵の、プリムール向け販売を減らすという発言だった。 技術責任者でマネージング・ダイレクターのフィリップ・ダルーアンが真意を説明してくれた。「プリムール向けをこれ以上増やさないという意味。我々は中国市場などで熟成...
1級に負けない、驚嘆のレオヴィル・ラス・カーズ
- 2016/04/25
- 02:52
セカンドワインは18世紀に生まれ、20世紀初頭に復活した。ラフィット・ロートシルトが現代の先駆けといわれる。ムートン・ロートシルトのブランドワイン、ムートン・カデも発想は同じだった。厳しく選別して、グランヴァンの品質を上げるのが狙い。 ジャン・ユベール・ドゥロンほど、この選別にこだわる男はいない。所有するポムロールのネナン、メドックのポタンサック、サン・ジュリアンのクロ・デュ・マルキ、レオヴィル・ラ...
カベルネ比率上げて、発展中のピション・ラランド2015
- 2016/04/24
- 01:38
ポイヤック村のD2をはさんで向かい合うピション・ラランドとピション・バロン。2つに分かれたシャトーは、ボルドー観光の写真スポットだ。19世紀から女性的と男性的という対比で語られてきた。ラランドは、メイ・エリアンヌ・ド・ランクサン夫人が所有してきたせいもあるが、話はそれほど単純ではない。 2007年にルイ・ロデレールが購入してからのピション・ラランドは右肩上がりだ。支配人や醸造責任者の異動が激しかったが、...
すきのない醸造でち密なタンニン、コス・デストゥルネル2015
- 2016/04/22
- 01:52
ボルドー・プリムール初日の4日に最初に訪れたのが、コス・デストゥルネルだ。メドック北部から先に回ってしまおうという計画だった。 ボルドーに発つ直前、モエ・ヘネシー・エステーツ&ワインズのジャン・ギョーム・プラッツCEOとたまたま東京で会った。言うまでもなく、コス・デストゥルネルの品質の基礎を作った元総支配人だ。これも何かの縁かと思った。 ジャン・ギョームはビジネスマンとしての厳格な側面ばかり強調され...
ロバート・パーカー、ボルドー評価から完全撤退
- 2016/04/20
- 01:12
ワイン・アドヴォケイトのロバート・パーカーが、ボルドーの評価から完全に撤退すると発表した。ニール・マーティンにプリムールや古いヴィンテージなどすべてのボルドーの評価を譲り渡す。パーカーはナパとソノマを含む北部カリフォルニアに専念する。ボルドー市場を支配してきた「帝王」の時代が終わった。 パーカーは1978年にワイン・アドヴォケイトを創設して、38年間にわたりボルドー・プリムールを評価してきた。1982の可...
醸造責任者が交替しても不変のエレガンス、ラフィット・ロートシルト2015
- 2016/04/19
- 01:27
2009、2010と続いた偉大なヴィンテージで、ボルドーのトップシャトーはうるおっている。どのシャトーも醸造施設を刷新した。2016年も遅ればせながら、ベイシュヴェルが大改造しているのがD2から見えた。 左岸の5大シャトー、サンテミリオンのプルミエ・グランクリュ・クラッセAの4シャトーはすべて、何らかの施設や建物を刷新した。例外がラフィット・ロートシルトである。1級の頂点に立つシャトーは、1980年代から醸造施設に大...
カベルネ・フランのエレガンス、金字塔のアンジェリュス2015
- 2016/04/18
- 01:55
ボルドーのプリムール商戦は、4月4日から4日間でほぼ終わる。8日の金曜にはバイヤーたちも帰路につき、祭りの後の雰囲気になるのだが、アンジェリュスだけは違った。畑の脇までぎっしり車が止まっている。右岸で最も熱気に包まれたシャトーだ。 ちょっとしたネゴシアン並みに大量のワインが並んでいる。当主ユベール・ド・ブアール・ド・ラフォレはアンジェリュスと家族経営の5シャトー以外に、約70軒のワイナリーをコンサルテ...
凝縮して偉大、4回の収穫で造りあげたシャトー・ディケム2015
- 2016/04/15
- 01:30
シャトー・ディケムの試飲は、サンテミリオンのシュヴァル・ブランで同時にできる。いずれもLVMHが所有し、ピエール・リュルトンが支配人を務めるからだ。シュヴァル・ブランを試飲した後、わきの小部屋でイケムのみ飲む。ちょっと豪華な"食後酒”である。 イケムの収穫は熟度と貴腐菌の付き方を見ながら、何度かにわけて行われる。2015年ヴィンテージの摘み取りは非常に早く、9月3、4日に砂利土壌の区画から始まり、2週間続いた...
クースポードが13.3%値上げで売り出し、為替で英米はさらに高値に
- 2016/04/14
- 10:36
ボルドー2015のプリムール商戦で、サンテミリオンのグランクリュ、シャトー・ラ・クースポードが前年より13.3%高い1本34ユーロ(ネゴシアン価格)で売りだした。 Liv-exによると、2014は30ユーロだった。英国はポンドが弱いため前年より25%高い。米国では18%高い。重要な市場である英国と米国は、為替によって前年より割高になるため、価格設定は売れ行きを左右する重要な要因となる。日本円は2015年4月前半は1ユーロ120円台...
アルコール度14.6%の超凝縮、ペトリュス2015
- 2016/04/13
- 01:33
プリムールでのポムロールの楽しみは、車で数分しか離れていないペトリュスとル・パンを同じ日に試飲することだ。2015年ヴィンテージのル・パンは、一部の樽の発酵が長引き、試飲ができなかった。 ペトリュスはいつも通り、コンサルタントのジャン・クロード・ベルーエと息子のオリヴィエが迎えてくれた。ジャン・クロードは1964年から参画し、2008年に引退するまで醸造責任者を務めた。「ミスター・メルロ」と呼ばれるクリスチ...
伝統に回帰するナチュラルなボルドー、ピュアで透明なポンテ・カネ2015
- 2016/04/11
- 10:26
ビオロジーやビオディナミへの流れが、確実にボルドーで起きている。右岸ではサンテミリオンのガレージワイン「ラ・モンドット」がAB(アグリキュルチュール・ビオロジック)の認証を、フロンサックの「シャトー・ラ・ドーフィーヌ」がエコセール(ビオロジー)とデメテール(ビオディナミ)の認証を受けた。メドックではパルメとデュフォール・ヴィヴァンが2017年からビオディナミの認証を受ける予定だ。こうした流れに先駆けた...
カリフォルニアの経験で温暖化に対応、クリスチャン・ムエックスのエレガントなベレール・モナンジェ
- 2016/04/09
- 14:08
2015年のボルドー右岸は過熟気味のワインが多い。アルコール度14%超が普通で、カリフォルニアを連想させる。その中で、ジャン・ピエール・ムエックス社の所有シャトーはピュアでエレガントなスタイルが際立っていた。温暖化の時代、クリスチャン・ムエックスのドミナスでの経験が生きている。 「シャトー・オザンナ 2015」はまろやかなタンニンと過熟を避けた果実のバランスがよく、ツルリとした質感。しっかりした骨組みと赤...